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COMPANY HISTORY -Ⅰ-

12/02/2016


昭和16年に創業した弊社、実は今年は75周年という節目の年になります。
いい時代も困難な時もありましたが、お陰様で今も神田の地で商売を続けられているのは本当に有難いことです。
この場をお借りして、皆さまの今までのご愛顧に深く感謝申し上げます。

来週には社内での祝賀行事を行うことになり、最近は昔の資料を整理したりしていました。
この機会に2回に分け、弊社の歴史を振り返らせていただきたいと思います。

上の写真は、昭和16年に創業した岸静一が、徴兵・復員ののち当初の神田岩本町から神田須田町に移り開店させた店です。(昭和25年)
まだ珍しかったであろう社用車もあり、「輸入羅紗」の文字が誇らしげに書かれています。
ちなみに、戦時中は毛織物統制があった為、既製服卸を主に行っていたようです。




昭和29年には神田須田町内に新しい社屋が建ちました。
私が中学生位まではたまに連れていかれていたので、今でも建物やウールの匂いを思い出します。




戦後の復興が本格的に進み、朝鮮戦争の特需などもあった活気ある時代。
売り出しには多くのテーラーさんが集まり、レジに並んでいただくだけでも一苦労だったそうです。




残念ながら3年前に終了してしまいましたが、当時は“合同展示会”と呼ばれる催事が賑わっていました。弊社が会場、品揃えを整え、参加店(テーラーさん、オートクチュール店さん)が各店の顧客をご招待するもの。宮様がお見えになることもあったそうで、写真の一番左の方は常陸宮妃華子さま。
右から3人目がお出迎えをする岸静一です。




晩年の岸静一。
私の祖父になりますが、私が生まれる2年前に亡くなったので抱いてもらうことはありませんでした。
群馬から上京し高度成長期の追い風も受けながら、懸命に時代を駆け抜けた一人の羅紗商人は昭和48年、62歳で惜しまれつつこの世を去りました。
‐次回に続きます‐