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NORTON & SONS

2/23/2015


先日の出張の話題の続き。今回からは3回に分けて老舗テーラーの訪問記を掲載させていただきます。
以前はなかなかこういった機会はありませんでしたが、サヴィル・ロウのほぼ全てのテーラーと取引のある(英国最大の)ファミリーマーチャント LBD-HARRISONSにたまにお客様のアテンドをアレンジしてもらっており、大変ラッキーなことだと思っております。

まずは1821年創業のNORTON & SONS(ノートン&サンズ)。




かつてはウィンストン・チャーチルや、ハーディー・エイミスなどにビスポークスーツを仕立てていた老舗でしたが、2005年に現オーナーのパトリック・グラント氏に買収されたことで大きな転換期を迎えます。

当時、オックスフォードの大学院生だった氏は現在もサヴィル・ロウテーラーのオーナーとしては若く、センスとスタイルに恵まれ情熱に溢れた人物。
近年はTVなどのメディアにも頻繁に登場したり、サヴィル・ロウビスポーク協会のスポークスマンも務めるなどサヴィル・ロウの今を語るには欠かせない存在となっています。






この日はあいにくご本人が海外出張中でお会いできませんでしたが、モダンなイメージの店内をしっかり見せていただくことができました。(私は前職で数年前お会いしたことがありましたが、スタイリッシュですごく素敵な方でした)






こちらは2人いるカッターのうちのおひとり。
裁断から縫製まで、全ての工程がこの店内で行われています。
同行の方の「NORTONのハウススタイルとはなんですか?」との問いには、「うちはお客様のお好みに合わせてできるだけフレキシブルに対応している。それでも構築的なしっかりとした仕立てでサヴィル・ロウのスーツって分かるんじゃないかな」とのことでした。





こちらは熟練テーラーの方。NORTONでは(サヴィル・ロウの大規模店に多い)分業制ではなく、一人の職人のよる丸縫いと聞き驚きました。
ちなみにイタリア出身の彼にキャリアを聞くと、なんと14歳で仕立ての勉強を始めたとのこと!
「親は僕にストリートで悪さを覚えるより、手に職をつけさせたかったんだろう」と語ってくれましたが、サヴィル・ロウはイタリアからの多くの働き手に支えられてきたことは有名で、今も現役で活躍されていることを知りなんだか嬉しくなってしまいました。

若い感性と熟練の技が融合したこのNORTON & SONSは、これからも注目を集めていきそうです。。。