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HENRY POOLE TOUR

10/27/2014


前回の話題とタイムラインが前後してしまいますが、先日の出張で訪れたサヴィル・ロウの名門テーラー HENRY POOLE(ヘンリー・プール)の訪問記です。
創業1806年、紳士服の聖地として知られるこの通りに初めて店を構えた同店は、昭和天皇(皇太子時代)、吉田茂元首相など日本の要人を始め、世界中の王侯貴族を顧客に持つことで知られています。




今回は弊社のお取引先様やメディアの方のアテンドでお邪魔しましたが、同店の筆頭サプライヤー(服地)であるLBD-HARRISONS社からアポを取っていただいたこともあり、現当主のサイモン・カンディー氏自らレクチャーをしていただきました!
こちらの緑のバンチはLBD-HARRISONSが特別に製作したHENRY POOLEオリジナルのもので、一部のオリジナル品番を除き全て同社の服地が編集されています。
見えている反物は今年登場した“HENRY POOLE CHECK”で、1980年代にHARRISONSとのコラボレーションで開発されたデザインが復刻されました。




この日はなんと2時間近くにも亘る充実のレクチャーをしていただきましたが、まずは同店の成り立ちからご説明いただきました。1858年に初めての王室御用達認定となったフランスのナポレオン3世の証書、肖像画は最近改装されたカッタ―ルームの目立つ場所に掲げられています。




工房へ向かう通路には、HENRY POOLEの歴史が分かりやすく年表にされ貼られていました!
やはりサヴィル・ロウの始祖である同店にはビジターが多いそうで、説明し易いように製作したそうです。
ところで、サヴィル・ロウに同店が移った当初は通りの反対側に店があったそうで、しかも入口は店の裏の通り側だったそう。しかし、創業者ジェームスの息子ヘンリーが当時はリージェントストリートの馬車置き場だったサヴィル・ロウの静かな雰囲気を気に入って入口を移したことが、この通りが「紳士服の聖地」誕生のきっかけとなったことは初耳で大変興味深かったです。




その後は地下の工房へ。
多くの老若男女が働いていますが、みな技術力の高い職人で同店のものづくりを支えています。




最後に、ショーウインドーの目立つ場所には“HENRY POOLE CHECK”のジャケットが!
Dolce&Gabbanaのイメージモデルを務めた英国のトップモデル デヴィッド・ガンディー氏の為に作られたそうで、実際に着用している写真も飾られていました。



さて、この日はこのあとソーホーにショップを構える新進気鋭のテーラー CHRIS KERR(クリス・カー)を訪ねました。




日本での知名度はまだあまり高くありませんが、ジョニー・デップ、ブラッド・ピット、トム・ハンクスなどのハリウッドセレブに愛され、多くの有名映画でも衣装として採用されているクリスさんのスーツは欧米で高い評価を受けています。
今回ゆっくりスーツを見せていただきましたが、奇をてらわない正統的なデザインが意外(イメージと違う)で、テーラーとしての懐の広さとビジネスシーンで輝きそうなシャープなラインが印象的でした。。。

ロンドン最後の日でしたが、紳士服の歴史を背負う名店と、ロンドンの今を具現化している若手テーラーにお邪魔で貴重な体験をさせていただきました!