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ARCHIVE ROOM BY VITALE BARBERIS CANONICO

10/20/2014


先日の出張の話題の続き。
今回はイタリア服地の産地ビエッラを代表するミルの一つ、VITALE BARBERIS CANONICO(ヴィターレ バルベリス カノニコ/以下 CANONICO)の訪問記です。
この雑記帳でも何回も書かせていただいているミルですが、350年という輝かしい歴史と、年間生産量約800万メーターという突出した規模を誇る同社は全てがスマート。
ミーティングルームが連なる廊下から見える中庭の眺めもこの素晴らしさです!




今回は訪れた前の週にミラノの展示会で発表されたばかりのSS2015シーズン向け新コレクションの商談に加え、実はもう一つの目的がありました。それはある部屋を訪れること。。。
今年の2月にお披露目されたばかりのその部屋は、多くのデザイナー達が働くデザイン室の奥に扉がありました。




入るとまずあるのがサロンスペース。
生地棚にはCANONICOの生地が美しく並べられています。




一角にはバーカウンターも。
エレガントで重厚な空間は本当に素晴らしいのですが、「なんで服地製造のミルにこんな場所が?」と思いませんか?




その答えは奥に広がるこの場所にありました。。。
そう、ここは同社が収集してきたアーカイブブック(生地見本帳)のコレクションルームなのです!




同社が実際に生み出し保管してきたものに加え、イタリア、英国、スペイン、フランスなどから集められた貴重な資料が公開されています。こちらは最古のもので1879年に編集されたそうです。




湿度が保たれた素晴らしい環境の中で保管されているブックの数々は、同社のデザイナーが実際に閲覧し新しいデザインの参考にしているそうです。
こういった古いものから、近年のものまでこのアーカイブルームには約2000冊ものブックが納められています。
そして、現在はこの資料を全てデジタル化すべく専任のスタッフまでいらっしゃるとのこと!




私の生まれ年である1975年のブックも見せていただきました!
今見ても古臭く感じないオーセンティックなデザインが確立されていたことが分かります。
しかし、この素晴らしいサロンでグラスを傾けながら古き良きデザインを学べるとは、なんという贅沢なのでしょうか。。。

昨年は350周年を祝う盛大なイベントをミラノ市内で行い私もご招待いただきましたが(>この時の模様)、来月にはロンドンで大規模なコラボレーションイベントを行うとのこと。
光栄ながら私もまたご招待いただきましたので、この模様もしっかりとレポートさせていただきたいと思います!