la mode europeénne sélectionné pour vous

A CARACENI

12/24/2013


先日のイタリア(ミラノ)出張は実質滞在1日というかつてなく短いスケジュールでしたが、夜のレセプション出席の前に実現したのが名門サルトリアとして名高い A CARACENI(A カラチェニ)の訪問でした。

まだ服地業界に入ったばかりの頃、HARRISONSの計らいで一度お邪魔したことがありましたが、約10年ぶりの再訪。イタリア政財界人の多くに愛されてきた名店だけにやはり緊張します。
サヴィル・ロウのテーラーと違い喧騒から少し離れた通りのビルの2階にあり、小さな看板が目印です。




水曜日の15時頃(昼休みの後)お邪魔したのですが、次から次へと顧客がオーダーや出来上がりスーツのピックアップに訪れる光景には驚かされました。
先に工房を拝見することに。
裁断は現社長のカルロ氏と、息子で5代目にあたるマッシミリアーノ氏の二人で行っているそうですが、接客で時間を取られることもありいつも大忙しとのことでした。




実はこの夜に開催されたCANONICOの350周年記念レセプションにはA CARACENIの社長&Jr.も招かれていました。
CANONICOの14代目(現クリエイティブ・ディレクター)フランチェスコ氏は親の代からの顧客であり、(CANONICOの傘下である服地マーチャント)DRAPPERSを通じてCANONICO服地を扱うなど、特に若いマッシミリアーノ氏とフランチェスコ氏は公私共に繋がりが深いそうです。

「今晩何を着て行くか?」で盛り上がり、マッシミリアーノ氏のディナースーツを見せてもらいました。
この日の「CLASSIC WITH A TWIST(捻りを加えたクラシック)」というドレスコードを踏まえ、こちらのエレガントなスーツに合わせるのはショップオリジナルで作られたパイル地のボウタイ&オペラシューズ(両方とも共地で水色!)。
社長の方は「毎年クリスマス当日にしか着ない赤いスモーキングジャケット」とのことで、フォーマルウェアを見事に遊ぶ着こなしに脱帽しました!




縫製のワークルームも見学。
ベテランと若手がうまくミックスされ、若手を気遣いながら適切なアドバイスを与えていく熟練職人の姿が印象的でした。
技術の伝承は業界全体で重要なことですが、この名門テーラーでもしっかりと技が受け継がれているのを見れて少し安心しました。




こちらはフィッティングルーム。
内外の著名顧客の写真が並べられています。
ミラノ広しといえども、このフィッティングルームで仮縫いを受けられるのは本当に一握りの富裕層のみです。
サロンの雰囲気も素晴らしいのですが、接客が終わったばかりで散乱していたため撮影は遠慮しておきました。笑




最後に社長&Jr.と記念撮影!
お二人とも(当たり前とはいえ)素晴らしいウェルドレッサーでした。
後のレセプションでもお話しできましたが、奥さまと楽しそうに踊るカルロ社長の姿もまた印象的でした。。。

ちなみに同店の服地のストックは約5,000点にも及び、ヴィンテージを含んだ英国物が多いものの近年はイタリア服地の取扱も増えてきているとのことでした。
(裁断中だった一着は、なんと1981年製のヴィンテージのHARRISONSでかなり嬉しくなってしまいました!)

忙しいなか温かく迎えていただいたお二人には、心より感謝いたします!
(本年の雑記帳はこれで最後となります。1年間誠にありがとうございました。来年もお付き合いのほど宜しくお願いいたします!)