la mode europeénne sélectionné pour vous

FOUNDER

1/08/2013
 
し遅くなってしまいましたが、旧年中は拙文にお付き合いいただき誠にありがとうございました。
本年もなにとぞ宜しくお願い申し上げます。

さて、私ごとで恐縮ですが、昨年の営業終了時をもちマルキシの3代目となる代表取締役社長に就任し、昨日の仕事始めが社長としての業務の一日目となりました。
まだまだ勉強を続けないといけない若輩者ですが、皆様にご満足いただける高品質・高付加価値商品のご提供のため今まで以上に尽力して参りたく思っております。
引き続きのご支援、ご指導を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

今回はマルキシについて少し書かせていただきます。

弊社の歴史は、昭和16年に創業者である祖父 岸静一(上写真)が、当時既に織物の取引地として賑わっていた神田須田町で服地卸業を開始したところから始まりました。
群馬県前橋市から上京し丁稚奉公と苦学を経て自分の事業を持つに至った静一は、太平洋戦争前後の混乱期を乗り越え、昭和25年には会社を設立しました。その後、高度成長の波にも乗り事業を拡大、静一の急逝により30歳の若さで2代目の社長に就任した岸克彦(現会長)の時代には150名近い社員がいた時期もありました。
この頃は、好景気とハンドメイドオーダースーツの需要増加により、オーダー業界、服地業界全体が世界的に潤った黄金期だったようです。

下の写真は、克彦が(英国織物の一大産地である)英国ヨークシャーの国立リーズ大学の大学院で繊維学を専攻していた頃のものですが、当時は花形産業であった繊維業界で働く為に多くの学生が学んでいたことが分かります。(残念ながら現在リーズ大学には繊維学部はありません)

そして1990年代前半に日本ではバブル経済が崩壊、そしてハンドメイドオーダーから既製スーツやイージー(パターン)オーダーへの転換、服地工場の減少など、服地業界を取り巻く国内外の情勢は大きく変化してきましたが、そんな中でも(規模は随分と小さくなりましたが)「輸入服地、高級服地に強い商社」として認知、ご愛顧をいただきながら事業を続けてくることができたことは大変有り難く、また幸運なことでした。

現在は世界的なカジュアル化の流れが進む中で重衣料のマーケット自体が小さくなり、ファーストファッションが各国の市場を席巻しています。しかし、そんな状況だからこそ、ストーリー性がある高付加価値商品の良さが見直され、存在感が高まってきていることも強く感じます。

手間と時間をかけて仕立てられるオーダースーツに相応しい、しっかりと織り上げられたクオリティーの高い服地。
そんな服地を皆様にお届けするために、マルキシはこれからも努力を続けて参ります。

今後とも変らぬご愛顧を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。    岸 秀明